- 日時
- 令和6年10月12日(土) 14:00〜16:30(受付 13:30〜)
- 会場
- 愛知県立半田高等学校 七中記念館
- 演題
- 植物の驚異的な生命力を支える情報分子
- 講師
- 榊原 均 様 (名古屋大学大学院 生命農学研究科)
- 講演要旨
植物は分断してもその断片から個体を再生したり、何千年も成長し続ける樹木があったり、動物には見られない驚くべき生命力を持っています。そしてその能力を、脳も神経系も持たず、移動することもできない体の中で巧みに操ることにより、置かれた環境に最適化された形態をとり繁茂しています。このような生き方を実現するためには、細胞と細胞、根と葉、葉と葉など、異なる部位の状態を知る情報コミュニケーションのしくみが必要で、様々な情報を伝える分子(情報分子)が植物の体の中を行き交っています。本講演ではこの情報分子に焦点を当て、最前線で何が研究されているか?そしてそれを利用することで人間が直面する世界的課題の解決に役立てることができるか?についてお話ししたいと思います。
- キーワード
- 植物ホルモン
- 情報分子
- 幹細胞
- 窒素栄養
- 食料生産
- 講演の様子
10/12(土)に令和6年度第2回サイエンスコミュニケーションを、名古屋大学大学院生命農学研究科から榊原均先生をお迎えして講演と交流会を開催しました。植物ホルモンの一種で、植物の形態形成や窒素栄養の情報伝達などさまざまな生命現象に関与していているサイトカイニンについてわかりやすく説明していただきました。また、アフリカの食料不足の課題に取り組む研究における現状と問題点などの内容も、興味深いものでした。交流会では、植物を研究するきっかけや先生の高校時代の学習についてもお話いただきました。
- 参加者の感想(アンケートより)
・わかりやすい言葉で説明してくださったので、理解しやすくて、植物について興味を持てました。
・植物は多くの社会問題を解決できる可能性を秘めていることが改めてわかり、とても面白い講演でした。
・今までは植物の研究と聞くと、何を目的に研究しているんだろう?と思っていましたが、榊原先生はサイトカイニンの研究を、世界の食糧危機などの問題を解決する手助けに生かしていらっしゃって、そうやって社会に貢献する方法があるんだと感動しました。