令和5年度 第2回 サイエンスコミュニケーション

日時
令和5年10月14日(土) 14:00〜16:45(受付 13:30〜)
会場
愛知県立半田高等学校七中記念館(名鉄河和線住吉町駅から徒歩8分)
演題
「神経行動学」で読み解く動物の心
講師
上川内 あづさ  様 (名古屋大学 大学院理学研究科 トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)
上川内 あづさ
講演要旨

科学技術の進歩によって、私たち人間は自然界の様々なものごとを理解できるようになりました。しかし、私たち人間以外の動物が何をどう感じているのかは、なかなか理解できません。激動する地球環境を共有する仲間として、他の動物が「どのように世界を見て、状況を判断して、行動に移しているのか」を知ることは、より良い共存社会の構築につながるかもしれません。

私たちは「神経行動学」という研究方法で、昆虫どうしの求愛コミュニケーションのメカニズムを解き明かそうとしています。実は昆虫も、私たちと同じように五感で世界を知覚して、脳で状況判断をしています。ではこれらの昆虫たちは、同じ種の仲間をどのような仕組みで認識して評価しているのでしょうか。私たちは、その脳のメカニズムを理解することで、動物が世界を認識する仕組みの一端を明らかにしたいと考えています。今回は、深層学習など最先端の方法論も交えた私たちの研究プロジェクトを紹介することで、「動物の心」に迫っていきたいと思います。

キーワード
  • 昆虫
  • 聴覚
  • コミュニケーション
  • 情報処理
講師の先生から

「動物は何を考えているの?」などのような、純粋な好奇心を持ち続けることは、私たちの人生に豊かな彩りを与えてくれます。みなさんも、さまざまな好奇心をお持ちだと思います。それをとことん追求できる科学の世界に、興味を持ってどんどん飛び込んできてください。きっと毎日、ワクワクとした人生が送れますよ。

ポスター
第2回案内ポスター
講演の様子

10月14日(土)に令和5年度第2回サイエンスコミュニケーションを開催しました。今回は名古屋大学大学院理学研究科より上川内あづさ先生をお迎えし、講演と交流会を行いました。虫の求愛行動について神経行動学がどう関係しているかというテーマを切り口に、脳はどのようなものかというお話を頂きました。普段は聞くことができないとても興味深い内容でした。

講演の様子
参加者の感想(アンケートより)

・「美学と価値観が共有されている前提で求愛行動が成り立つ」という話に納得し、様々な生き物の知能の可能性に興味が湧きました。

・自分は物理を選択するんだと思っていたが今回の話を聞き生物選択でも面白いんではないかと思った。