平成29年度 第2回 サイエンスコミュニケーション

日時
平成29年7月29日(土) 14:00〜16:45(受付 13:30〜)
会場
愛知県立半田高等学校柊陵会館学習室(名鉄河和線知多半田駅から徒歩8分)
演題
『科学は見ることから始まる~カーボンナノチューブの発見~』
講師
飯島 澄男  様 (名古屋大学特別招聘教授・名城大学大学院理工学研究科 終身教授)
飯島 澄男
講演要旨

日本の産業は「ものつくり」が基本。その中心には新材料の「開発力」があります。一例として、「カーボンナノチューブ」を取り上げ、その発見から産業応用への研究開発の現状、及びナノサイエンスとナノテクノロジー研究の最前線を易しく紹介します。

ダイヤモンド、鉛筆の芯、炭、カーボンナノチューブの共通点は? いずれも炭素原子のみから成り、それらの違いは炭素原子の“結合具合“に起因します。カーボンナノチューブは鉛筆の芯と同じ黒鉛(グラファイト)構造ですが、特殊な構造をもつため、電気抵抗や機械強度にユニークな性質を示します。それらを利用した透明電極(スマートホーンのタッチスクリーン)などの産業応用も始まっています。

カーボンナノチューブは演者により”偶然“に発見されましたが、長年関わってきた「高分解能電子顕微鏡」が発見の鍵になりました。科学における発見は“よくみる”ことがその出発点である、と演者は考えています。カーボンナノチューブのように極微細な物質を調べる装置は電子顕微鏡以外にはなかったことが幸いしました。講演を通して研究の面白さが伝えられれば幸いです。

キーワード
  • ものつくり
  • カーボンナノチューブ
  • ナノサイエンス
  • 電子顕微鏡
ポスター
29年度サイエンスコミュニケーション第2回
講演の様子
参加者の感想など

中学生
ニュースで見たカーボンナノチューブのことが気になっていたので、どんなものかが少しわかりました。私も知識頭でなく創造力頭になりたいです。
生徒
科学的な発見は偶然または必然だというところに科学のおもしろさを感じました。
生徒
少し難しい部分もあり、すべて完璧に理解することはできなかったけど、カーボンナノチューブの仕組みや利点などはじめて知ることばかりでとてもためになった。科学の奥深さにとてもわくわくした。
生徒
比較的身近なものですごい能力をもっているCNTを発見した人の講演を聴けてうれしかったし楽しかった。