SSH事業について

平成27年度 東南アジア(タイ)海外研修

平成27年度より,本校は東南アジアのタイにおいて,現地の企業(LIXIL Thailand 社)と高校(Mahidon Witthayanuson School)と連携した研修を始めました。

平成28年1月24日から1月30日までの7日間、生徒3名が参加し、校長および理科教諭(SSH部主任)の2名が引率しました。

日  付 行      程
1/24(日) 中部国際空港発-バンコク国際空港着-バンコク【泊】
1/25(月) バンコク-LIXILランジット工場-バンコク市内-バンコク【泊】
1/26(火) マヒドン校-マヒドン校(サイエンスフェア)-ナコンパトム(マヒドン校)【泊】
1/27(水) マヒドン校-マヒドン校(サイエンスフェア)-ナコンパトム(マヒドン校)【泊】
1/28(木) マヒドン校-マヒドン校(サイエンスフェア)-ナコンパトム(マヒドン校)【泊】
1/29(金) マヒドン校-マヒドン校(サイエンスフェア)-バンコク国際空港
1/30(土) -中部国際空港着

本校の研究開発課題である「国際社会で活躍できる自然科学系グローバル人材の育成に関する研究」の一環として、昨年度まで英国における研修を行ってきましたが、今年度新たに、東南アジアのタイにおいて、海外研修を行うことになりました。今回の主な目的は、タイ王国の中でも最先端の科学教育を進めているMahidol Witthayanuson School (MWITS) に赴き、そこで開催されるサイエンスフェアに参加し、タイ国内および各国の生徒と交流することで、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力などの資質を向上させ、環境問題を始めとした自然科学に関する知見等を修得、情報交換することで、より国際的に広い視野を持ったグローバル人材の育成を図ることです。またLIXIL社のご協力の下、LIXIL Thailand Rangsit工場の研修プログラムにより、国境・時代を越えた、ものづくりの現場からみた幅広いものの見方や考え方を身につけることも目的としています。

Mahidon Witthayanuson School での交流

Mahidon Witthayanuson School主催のサイエンスフェアに参加し、参加したタイ、ドイツ、オーストラリアの高校生とセッションを行い、各自の研究成果を発表し、意見交換を行いました。本校は「紫外線照射量と植物の色素量との関係」の成果について、事前に作成したポスターセッション資料をもとに、3名1組となって発表や質疑応答を行い、また、他の人が行っているポスターセッション(110件ほど)のブースもくまなく回り、口頭発表にも参加し、討議を行いました。なお、発表や討議の言語については、英語で行っています。

Students Sessionにおいては、他の海外組も含めて、グループを形成し、課題に取り組みました。飛行機をいかに遠くに飛ばすか、船をいかに長く走らせるかなど、各国の国柄も垣間見えて非常に面白い取り組みでありました。本校生徒も最終的には他の日本から来た生徒(早稲田大学本庄高等学院)とともにチームの中の中心となって取り組んでいたのが印象的でありました。

参加生徒は、本校の新聞のインタビューに「ドイツ人も、オーストラリア人も早稲田高校の参加者も英語がペラペラで最終的には僕たちのコミュニケーション能力も上がった」「海外の生徒と話していく中でこうやって話しかけたらいいんだって少しずつわかっていって、実感をつかんだのが自分にとって一番学んだことだ」等の感想を話していました。

LIXIL Thailand Rangsit 工場での研修

本校で研究している「水質浄化」をテーマとして、事前に国内工場にて国内における製造工程を見学(12月15日実施)、疑問点等を出し合い、それを現地に赴いた際に、現地の研究者と研究協議を行いました。(1月25日実施) 合わせて、現地のプラント見学やラボでの研究活動を知り、自動化と手作業での工程の違い以外にも、プラントの設計の仕方の違いなど、日本とタイの工場の考え方の違いなど、日本の生産システムやものづくりなどの違いについて学習しました。ラボにおいては、製造するために多岐にわたるテストを繰り返しているなど、品質管理の在り方について学習しました。なお、発表や協議の言語はすべて英語で行っています。

日本国内と海外におけるものづくりの違いについて、現地に行って知ることも多く、生徒は自動化主体と手作業中心の違いを事前学習していましたが、原料の保管位置が日本とタイで違うことなどに気づき、気象事情(洪水が多い)が理由であることに関心をもち、幅広い見方が必要であることを感じた生徒もいました。

ワットポー・ドゥシット動物園・サイアム・オーシャンワールドでの研修

ワットポーでは、「タイの歴史文化」「東洋の医学」などをテーマに、自然探索の歴史や東南アジアの医療について、ドゥシット動物園では「東南アジアの動物の生態」をテーマに、東南アジア独特の陸上生物について、サイアム・オーシャンワールドについては、「東南アジアの魚類」をテーマに東南アジアに生息する独特の魚類についてそれぞれ学習しました。計画ではそれぞれ1時間程度の研修を予定していましたが、生徒は「もう少し時間があれば(特に動物園は園内が広かったため)」という意見が多かったたため、さらに深くグローバルな見識を広げられるように研修プログラムを改善し、平成28年度の計画に生かしていきたいと考えています。